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ゴルフ場スイング火災、砂地にダフり火花?(読売新聞)

 宮城県のゴルフ場でアマチュアゴルファーがボールを打ったら火が出て、芝生が焼けた。マンガのような珍事はなぜ起きたのか?

 奥羽山脈のすそ野に広がる大和町の「ミヤヒル36ゴルフクラブ」。10日は絶好のゴルフ日和だった。17番ロングホールの2打目。同県の50歳代の男性会社役員が、フェアウエーを外れてラフに入ったボールをステンレス製の5番アイアンで打つと、火花が散った。芝に燃え移った火は約900平方メートルを焼き、約25分後、消防隊に消し止められた。

 刈り込まれていないラフの芝は高さ数センチで、下は砂地。芝の上のボールを打った男性は、県警大和署の事情聴取に「クラブはボールにきれいに当たった」と話した。実際に、グリーン方向のフェアウエーに飛ぶ“ナイスショット”だった。しかし、同署の現場検証では、ボールに焦げたような跡はなかった。

 何が起きたのか。金属加工に詳しい早稲田大の不破章雄教授は「砂を巻き込んだり、芝に浮いた砂と接触するだけでは、こうした現象は起きにくい。本人が気付かないうちにクラブが地面をこすったのでは」と指摘する。男性が「ダフった」結果、金属ヘッドと砂地がこすれ合って摩擦熱を生じ、粉になった金属が火花となって散ったと推測。「火打ち石やライターと同じ」と説明する。

 アマチュアゴルファーの平均的ヘッドスピードは秒速40メートル前後。ゴルフ用品メーカーは「スイングを繰り返す製品テストでも、火花が散ることは時々ある」と言う。石川遼選手で秒速52メートルというプロの世界。さぞ火花が散っているかと思いきや、日本プロゴルフ協会は「プロの大会では見たことがない」ときっぱり。ボールをしっかりミートすれば、火花が出る危険はない。

 それにしても、「スイングの火花による火災は聞いたことがない」(アマチュア団体の日本ゴルフ協会)と関係者は驚く。宮城県内では5日連続で乾燥注意報の発令中だった。さらに芝が生え替わる時期で、多くは枯れ草。こうした条件が重なって起きたらしい。

 同様の火災は米国でもあった。米国ゴルフコース管理者協会によると、2007年6月にネバダ州のゴルフ場でラフからボールを打ったところ、芝に火がつき、約8万1000平方メートルを焼いた。このゴルフ場でも芝は乾いていたという。

 スイング火災はともかく、ゴルフ場では野焼きの延焼などで芝が燃えることがたまにある。今回の火事では、男性らが芝に帽子をかぶせ、靴で踏んで消そうとした。しかし、これは煙に巻かれる危険がある。総務省消防庁は「素早く119番やクラブハウスに連絡を。自ら消そうとせず、従業員の指示に従って避難して」と呼びかけている。(東北総局 中根圭一)

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